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塗装治具の選び方と、塗装トラブルの解決法

塗装治具とは、ワーク(被塗物)を吊すハンガーやフック、マスキング等の塗装時に使われる治具を指します。ネジ穴等の非塗装部をカバーしながら、目立つ治具跡をつけることなくワークを吊るすには、コツと経験が必要になるケースも少なくありません。塗装時には課題やトラブルがつきものですが、塗装治具の選び方次第で解決できることもあります。今回は3つの塗装時トラブル例について取り上げ、その解決法をご紹介していきます。
一体型の塗装治具はフックの折れや破損で、作業効率が下がってしまう…

塗装ラインでハンガーを使い、住宅設備用の製品カバー等を静電粉体塗装していた塗装業A社では、ハンガーのフックが折れたり曲がったりして破損が相次ぎ、生産効率が下がっていました。一体型のハンガーは加工屋から仕入れていましたが、買い換えるにはかなりのコストがかかるため、フックが数本欠けたまま使用を続けていました。塗装治具に付着した塗膜をショットブラストによって剥離する工程でフックの脱落が多く起こり、生産効率が低下し困っていました。
フックが取り替えられるフレキシブルな塗装ハンガーで解決!
そこでA社では、岩田製作所のフックが付け替えできる塗装用ハンガーを導入することにしました。これによって、フックが破損したら新しい物にすぐ取り替えられるので、生産性を落とすことなく塗装できるようになりました。塗膜を剥離するときにも、フック部分を取り外して塗膜の剥離・洗浄ができ、作業効率がアップしました。
非塗装部分にボルトをはめてマスキング。取り付け・取り外しに時間がかかる…

自動車部品メーカーのB社では、エンジンカバーの塗装時、ネジ穴に一度ボルトをはめて、塗装・焼付後にボルトを外して作業を行っていました。この方法だと、ボルトの付け外しにかなりの時間と手間がかかってしまいます。また、ボルトを外した後、ボルトの周囲に塗装が厚く残ったりするほか、バリや割れが発生することもありました。
ボルトの付け外しが不要に!ツバ付マスキングプラグでネジ穴周りのバリも予防
B社は課題を解決するために、岩田製作所で取り扱うツバ付やフランジ付のマスキングプラグ(円錐プラグ)を採用しました。ツバ形状のマスキングプラグを使うことで、ネジ穴の周囲に塗膜が過剰付着することなくきれいに仕上がります。マスキングプラグはシリコン製のため、耐熱温度が220℃で高温の焼付にも耐えられます。塗装前にネジ穴にプラグを差し込み、塗装が完了してからプラグを抜くだけでいいため、ボルトを付け外しする手間が省けました。塗装後には、取り外したプラグを指で揉み込むだけで塗膜を剥離できます。
様々な塗装用ハンガーを設計・試作・量産・保管…コストと作業負担が増大

産業機械製造のC社では、多種多様な形状の部品を静電粉体塗装していて、ワークの形状に合わせて何種類もの塗装治具を購入して保管していました。新しい形状の部品を塗装する際には、塗装治具(ハンガーやフック)の設計と試作を行ってから量産していたため、治具製作だけでもかなりの時間と手間がかかり、ハンガー各種を保管するために場所もとられていました。
1つのハンガーで何役も!先端を取り替えられる塗装治具を導入して効率化
C社では、フック等のアタッチメントを取り替えられる岩田製作所の塗装治具(ハンガー)を新しく導入しました。ワークの形状が多種多様であっても、ワークとの接点となるフックやアタッチメントを取り替えるだけで、ハンガーを使い回して塗装が行えます。塗装後は、ハンガー全体の塗膜剥離を行うことなく、フックやアタッチメントの塗膜を剥離するだけで済むため、メンテナンスの負担も減りました。
塗装治具の選び方次第で、塗装時のトラブルを回避し、作業を効率化できます。塗装作業の生産性アップをお考えなら、フレキシブルな塗装治具の導入を検討されてはいかがでしょうか。多くの塗装事例に携わってきた岩田製作所にお任せいただければ、最適な塗装治具をご提案できます。